Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMの比較(その2)

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新しくレンズを購入したらすぐにでも使って試したいのが人情です。
Sigmaのレンズを入手した時も、その週末にすぐポートレート撮影に出かけました。それまでの数日は、自宅で少し試し撮りをしたくらいで、あまり細かな検証はしないまま出かけました。

結果は失敗でした。AFのピントが合っていないのです。横位置の撮影でフォーカスポイントは中心付近とし、被写体まで1、2mくらいの距離であればAFは許容範囲内でした。これは自宅での試し撮りでも確かめていました。

ところが縦位置で数m離れてモデルさんの全身を入れると(フォーカスポイントはかなり端の方を使うという意味)、目にピントを合わせているはずがかなり前ピンで顔がぼけているのです。しかもほぼすべてのショットです。純正を使っていたときは絶対に無かったようなピンぼけ写真を量産してしまいました。いいモデルさんだったので無念でした。
撮影の仕方、ピントの合わせ方の問題もあるかもしれませんが、純正レンズでも撮影方法は同じですし、こんなにAFのピントが外れたことはありません。

家に帰ってたくさんのピンぼけ写真を見ながら、対策を考えました。


まず考えたのはカメラ側での対応です。
Nikon機(少なくともD810)には「AF微調整」という設定項目があり、レンズごとにAFの微調整ができます。これを「+15」くらいにすると、縦位置全身での顔の前ピンがかなり改善されました。他の撮影距離や横位置での撮影でもその設定で問題なさそうだったので、次の撮影はこれで臨むことにしました。

AF微調整を使っての撮影は、無調整のときよりも格段にAFが合うようになりました。
でも少し問題がありました。私の場合、35mmレンズは純正とSigmaを持っていて、撮り比べのために撮影途中で取り替えることもあります。

ところがAF微調整はレンズの焦点距離開放絞り値の組み合わせでレンズを識別するため、カメラ側は純正とSigmaの区別ができないのです。つまりSigmaのレンズを装着したらAF微調整をオンにし、純正レンズに代えたらAF微調整をオフにするというメニュー操作をしなければなりません。万一それを忘れたら、ピンぼけ写真の量産です。


そもそも使うレンズとAF微調整のオンオフを意識しなければならないなんて嫌です。私の場合はSigmaと純正の使い分けでしたが、純正の同一レンズを2本持っている場合も同様の問題が生じます。


AF微調整がレンズ固有の番号(たとえばシリアル番号)みたいなものでレンズを識別し、それに対応したAF微調整の値が設定されるような仕組みになっていれば、このような問題は起こりません。原理的には十分実現可能な気がしますが、旧タイプのレンズなども含めた完全な対応は難しいかもしれませんね。だからこそ、こういう中途半端な仕様になっているのでしょう。

 

この状態で使うのは不本意です。

AF微調整はオフのままSigmaのレンズが使えるようにしようと思いました。

(つづく)