FOSTEX かんすぴでスピーカーシステムを製作(その2)
組み立ては簡単です。
エンクロージャーは組み立て済みで、スピーカーにつなぐだけのケーブルが出ています。
それをスピーカー端子に接続するだけです。
スピーカーの配線をする前にスピーカーを固定するネジの下穴を開けておく必要があります。やわらかい木材素材なら下穴なしでもいけますが、このエンクロージャーの場合はかなり固い素材なので下穴なしネジを締めることは無理だと思います。
そうして組み立てたのがこちらです。
ばっと見はなんとかできているように見えますが、実はよく見ると仕上がりがきれいじゃありません。
スピーカーを固定しているネジが斜めにゆがんでいるのです。
とにかくネジが固くて締めるのが大変で、ヘトヘトになって締め上げたら、ゆがんでいたということになりました。
ネジが固いのでネジ山がつぶれないようにドライバーを強く押しつけて回します。でも、ドライバーの先が滑ってコーン紙をブスッと刺してしまったら?と思うと恐怖です。
下の写真のように、ネジが斜めになっているため、ネジの頭に隙間ができています。
FOSTEX かんすぴでスピーカーシステムを製作(その1)
今までデスクトップPCの音はヘッドホンで聞いていました。
ヘッドホンなら夜中でも大きな音で聞けますし、大きなスピーカーやオーディオルームを用意しなくてもそこそこいい音が聞けるからです。でもちょっとしたナレーションを聞く時までヘッドホンを付けるのは面倒ですし、BGM的に音楽を鳴らしておきたい時もあり、スピーカーもあってもいいかなーと長年思っていました。
安いアンプ付きスピーカーは多数売っていますし、私の目的なら数千円出せば十分なものが買えるでしょう。でも、どうも買いたいと思うような製品がありませんでした。それに数千円の買ってきたままのスピーカーを机上に置くことを、私のプライドが許さないのです(←おぃおぃ、おまえの机の上なんか誰も見てないし、一体誰に見栄張ってんだよ!バカなの?)。
というわけで、ずっとヘッドホンで我慢していました。
ある日、私がよく見ているiruchanさんのブログで紹介されていた中華アンプLepy LP-2024A+がどうしても使ってみたくなりました。安いのにすごく音がいいらしい。そして改造して楽しめるらしい。「これは買うしかない!」と思いました。
アンプを買えばスピーカーも買うしかないので、検討開始。
iruchanさんはバックロードホーン型のエンクロージャーキットBW-800に手持ちのスピーカーで自作されています。でも私の机は小さいので、こんなに大きなスピーカーは置けません。もっと小さくないと…
そこで候補になったのは、FOSTEXの「かんすぴ」という名前で売られている小さなスピーカーユニットのキットでした。というか、小さなスピーカーユニットで、自作用で、しかも入手性の良いのはこれしかないかもしれません。
フルレンジスピーカー用だと6cm、8cm、10cm用の3種類あります。迷いましたが、一番小さい6cm用のP650-Eにしました。
スピーカーも6cmのフルレンジで調べるといろいろあるようでしたが、とりあえず初めて作るものですし、安心を求めFOSTEXのP650Kにしました。何より1本千円ちょっとですから、これは失敗しても文句が言えないくらい安くて良心的です。ダメなら買い換えようと思っていました。
Exifでレンズの型番を調べる方法
同じ焦点距離で同じ開放絞り値のレンズ(以後、同じ仕様のレンズと書きます)を複数持っていると、たくさん撮った写真をどちらのレンズで撮ったか忘れてしまい、調べたいことがあります。私もNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMを持っていて、それぞれの描写について偉そうなコメントを書いていますが、自分で撮った写真でもブラインドテストをされたら案外間違ってしまいそうなのです。
どちらのレンズを使ったのか、すぐに調べる方法はないのでしょうか。
Adobe Lightroom(Lr)で読ませれば、サードパーティーのレンズでも識別して、ちゃんとレンズの正式名称を表示してくれます。Lrを常用していて、すべての写真が登録してあるのならLrを起動して確認すればOKです。でも私はLr を常用していないので、まず目的のファイルを「カタログ」に読ませて…というところから始めなければならず、一つ二つのファイルをささっと調べたいという用途には不向きです。
Exifにはメーカーノートというオプション的な領域があり、そこにレンズの型番などが登録されているようです。メーカーノートというくらいなので、メーカーが勝手に決めた方法で書かれているので、それを判読しなければなりません。
私がとりあえず使っているのは、
というソフトです。このソフトでNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMで撮った写真のデータを表示させた画面はこんな感じでした。
どちらのレンズも[使用レンズ]や[レンズタイプ]の項目は同じですが、[レンズID]だけが違いました。
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gは、 44AF5……06
Sigma 35mm F1.4 DG HSMは、 44915……06
3桁目と4桁目だけが違っています。ここを見て区別します。
でも、すぐ忘れそうで面倒ですね。
私も必要時にこのページを見て思い出そうと思います。
なお、このソフトはNEFファイルには使えません。
Exif表示で有名なF6 Exifというソフトもありましたが、こちらはメーカーノートを項目別に表示してくれないようで、この用途には使えませんでした。
さらに蛇足ですが、同じメーカーの同じ仕様のレンズを複数持っている場合は、撮影時にメモを取っておかないと、後からは区別できないでしょうね。
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMの比較(その6)
総評
SIGMA 35mm F1.4 DG HSMは極めて繊細で美しい描写をするレンズで、その解像力はNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gを超えていると思います。反面、線の細い弱い印象になる場合もあり、それより線が太いNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gの方が力強く安定感もあります。
どちらがいいとか、そういう単純な差ではありません。
風景写真を等倍で見てウォーリーを探せみたいなことをするなら(私はそういうのもアリと思っていて、別に否定的に考えていません)SIGMAの方がいいでしょう。
私はポートレートばかりですので、全面カリカリの解像は必要なく、むしろ安定したしっかりとした描写を好みます。ただモデルさんによってはSIGMAの繊細な雰囲気がマッチすることもあり、使い分けるのもありかなと思っています。
その描写の違いを分かった上で、AF調整の問題、純正レンズの安心感、純正現像ソフトの問題、ボケの好み、そして価格を加味して考えることになります。
お金はある。AF調整みたいに面倒なことは真っ平御免なら迷わず純正。
お金はない。苦労は厭わないが繊細な解像力が欲しいならSIGMAです。
でもそんな単純な人は少数で、みんなその中間で悩むんですね。だから結論なんかでません。両方持っている私も、この先どうするか決めかねています。
当面の結論
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gを手放すことはないでしょう。描写の安定感、AF性能など十分満足していますし、ここ一番の撮影では迷わずこちらを持ち出します。これで撮って失敗しても、あきらめがつきます。
SIGMA 35mm F1.4 DG HSMの繊細な描写も捨てがたい魅力です。AF調整で苦労もしましたし、すぐに手放そうとは思いません。ただ今後も使用頻度は純正より劣ると思います。同じモデルさんを今度はSIGMAで撮ってみようとか、そういう使い方になる気がします。SIGMAを売っても5万円くらいですし、それなら時々使って楽しむ方がいいと思っています。
(一旦終了)
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMの比較(その5)
ようやく本題であるレンズとしての総合的な比較をしたいと思います。
レンズの描写
SIGMA 35mm F1.4 DG HSMは極めて繊細で透明感のある描写をします。ひんやりした朝の澄んだ空気のような感じです。モデルさんの全身が入る構図でも、まつ毛まで細くくっきり解像しており、その解像力は純正以上と思います。
一方、Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gも十分な解像力を持っていますが、SIGMAに比べるとまつ毛などの線がやや太い印象があります。SIGMAが朝の空気のイメージなら、こちらは日中の穏やかな空気です。どんな状況でも安定した描写をしてくれます。
ボケの違いについては単なる好き嫌いみたいなところもあるので書きづらいのですが、私はNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gのボケの方が好きです。SIGMA 35mm F1.4 DG HSMはそれほどボケて欲しくないところでもボケすぎるというか、形が崩れ始める気がします。例えばピント面より奥に顔があった場合、ボケた顔の輪郭や作りはNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gの方が自然です。無理して別の言い方をすれば、同じ絞り値でもSIGMA 35mm F1.4 DG HSMの方が被写界深度が浅く映るという感じでしょうか。この辺は、どのような構図で何を撮ることが多いかとか、好みもあるので、あくまでも私の感覚としてはそうだということです。
外観や重さ
大差ありません。見た目も好みの問題ですが、私はどちらも好きです。
かなりどうでもいいことですが、SIGMAは花形フードの高低差が大きく、フードを下向きにして置こうとしても転倒しやすく、レンズ交換時の置き場所に困ります。仕方ないので床に寝かせて置いたりしますが、そうすると転がって行きます(笑)
AF
私のNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gが当たりダマだったのかもしれませんが、AFに関してはほとんど不安を感じたことはありません。以前使っていたD800でも、今のD810でも無調整でそのままOKです。逆にどのレンズもそんなものかと思っていました。
SIGMAは詳しく書いたとおり、かなり苦労しました。それでもUSB DOCKで調整してからは、大きな不安はなくなりました。ただフォーカスポイントの違いによる精度の差というかばらつきがあるような気がしてなりません。調整が足りていないだけかもしれませんが、純正では感じていない感覚なので、この点でわずかに不安が残っています。
価格
私が買った頃はNikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4Gは15万円台でしたが、その後上昇して今は19万円くらいですね。SIGMA 35mm F1.4 DG HSMは9万円くらい。SIGMAは純正の半額です。この差は大きいですね。
現像処理
RAW現像ソフトでレンズに合わせた補正というのは、ゆがみ補正、ヴィネットコントロール、収差補正などでしょうか。とすると、現像ソフトが純正とSIGMAのレンズを区別して、レンズごとの補正をしてくれるかどうかも問題になります。
Adobe Lightroomは、純正とSIGMAのレンズを区別して、それぞれの補正値を適用しているようです。
Nikon純正の現像ソフトであるCapture NX 2やNX-Dは、競合他社であるSIGMAのレンズの補正値など持っていません。現像はできますが、SIGMAのレンズで撮っても純正レンズとして処理をしている感じです。ちょっと気になる点です。
私もこの問題はあまり詳しくなく、そもそもレンズ毎の補正がどれだけ結果に影響するのかも知りません。今度、実験してみようと思います。
(つづく)
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMの比較(その4)
SIGMAのAF調整については、USB DOCKを使用することで、カメラ本体のAF微調整を使うことなく、それほど不満のないレベルに追い込むことができました。
では何の問題もないかというと、やはり純正の方がAF精度はよい気がします。
特にフォーカスポイントによる差に違いがある気がしています。
私の撮影スタイルは、構図に合わせてフォーカスポイントを手動で移動させています。フォーカスロックも使いますが、画面の端の方にピントを合わせる構図なのに、中央でフォーカスロックをかけてカメラを大きく動かしたりはしません。
私の場合はUSB DOCKで調整した後も、図のように、上のフォーカスポイントではジャスピンなのに、構図を変えて下のフォーカスポイントを使うと後ピンになることが多い気がしています。純正では、似た構図で撮ったときもフォーカスポイントの上下でAF精度に違いを感じたことはありません。
こんなことが理論的、技術的に起こり得るか分かりませんが、私の経験から感じていることを率直に書いているだけです。
私もそれなりに調整を繰り返しましたが、さらにUSB DOCKで調整を追い込めばもっと満足いく結果が得られるのかもしれません。しかし、なんでそこまで頑張らなきゃいけないの?とも思います。
私も機械いじりとかPCが好きです。こういうメカや調整も嫌いではありません。それでも修行僧のようにひたすらUSB DOCKの調整を繰り返して極めていくというのは苦痛です。SIGMAのレンズしか持っていなければ、それ以外の道はないのであきらめもつきますが、純正であれば調整も必要ありませんし、上記のフォーカスポイントの違いによる差も気になりません。こんなに苦労してもなお多少の不安が残るなら、素直に純正を使った方が楽ですし、何より目的は満足のいく写真を撮ることですから。
サードパーティー製のレンズでAFが合う合わないという問題は、かなり根深いものではないかと想像します。
NikonやCanonなどのカメラメーカーがAF関係の信号を完全には公開していないと思われ、サードパーティーのレンズメーカーはリバースエンジニアリング的な手法で信号を解析しているのでしょう。超単純な信号なら解析も簡単でしょうが、実際はそんなに単純ではなさそうですし、もしカメラメーカーが解析されにくいような工夫をしてくれば一気に困難になるでしょう。
つまりSIGMAのレンズがNikonのカメラに純正レンズと完全に同じレベルで対応できているのかは不明ということです。NikonとSIGMAの技術者が全情報を持って集まって、お互いに検証し合わない限り分からないはずです。
もしかしたら完全に解析し切れていない何かがあるのかもしれません。あるいは電気信号だけでなく、レンズのメカや寸法、許容精度などについても同様の問題が隠れているのかもしれません。
サードパーティー製のレンズは、光学性能では純正レンズを凌駕するほどのレベルまで向上し、製品として十分な品質を持っていることは疑う余地はありません。それでもなお99%までは達成できる安心感を、完全に100%にすることは極めて困難であるとも言えます。
(つづく)
Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.4GとSigma 35mm F1.4 DG HSMの比較(その3)
結局SIGMAのUSB DOCKを買いました。
SIGMAのレンズはUSB DOCKを使って自分でAFの調整ができるというのは当然知っていましたが、必ず使うわけでもないだろうと思い最初はレンズだけ買いました。でも今までの経緯の通り、これを買う以外にAFずれの根本的な解決方法はありませんでした。
こんな風にレンズにくっつけて使います。
調整はそれなりに手間がかかりますが、自分で調整できるということは納得性という意味ではいいと思います。
メーカーにピント調整に出したのに結局合わなかったとか、問題なしでそのまま返送されたとかという話は時々聞きます。自分で調整すれば、そんな不満は絶対に起きません。
私の場合、次のような設定で落ち着いています。
近距離側はあまり動かす必要はありませんでした。
この調整で、特に縦位置全身ショットで端のフォーカスポイントを使った場合でもばっちりピントが合うようになりました。まつ毛まで繊細です。
当然、カメラのAF微調整はオフにして使えるようになりました。
(つづく)